基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
アート思考 | 秋元雄史 | 2021年2月10日 | ⭐️⭐️ | Art |
読書メモ
ビジネスの世界でアートやアートに基づく思考―アート思考―が注目されるようになって久しい。本書はそんなアート思考を語る。アートは、何かを解決するのではなく、世の中に新たな問いを投げかけるもの。不確実な世界で、定型にはまらない思考の必要性は増しており、アートに学ぶことは多々あるのだ。アートは”炭鉱のカナリア”であり、世の中がまだ気づいていない段階で、社会の変化を察知する。現代アートは視覚的な美からは独立しており、アーティストの主観的世界を問いかけるもの。そうした意味で、現代アートを”理解できない”のは当然なのだ。また、現在のアートの問題として、過度に資本主義化されていることがある。”現代アートを見る目がある”豊かな人々の評価によってアートの価値が決まり、アーティストの問いかけの価値は無視される。本書を読み、アート思考の重要性を知った。同時に、現代アートを見る目を根本的に変える必要があるのだと感じる。
一言コメント
この本を読んだ当時は現代アートについて何も知らず、世の中の多くの人たちのように、「なぜこんな美しくもないものが高い価値を持つのだ」と思っていました。が、この本を最初にいつくつか現代アート関連の本を読み、見方は大きく変わりました。高騰する価格など、現代アートは間違いなく問題含みなのですが、社会に課題を投げかける意義は大きいと感じます。何であっても、まずは知ること、ですね。
2022/3/6