基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃 | 加藤 文元 | January 22, 2021 | ⭐️⭐️ | Mathmatics |
読書メモ
望月新一教授の宇宙際タイヒミュラー理論について語った本。本書の読了後すぐ、論文の査読が通り、ABC予想解決が認められたというニュースがあった。あまりにも単純に見えるABC予想は、足し算と掛け算が複雑に絡み合っているがゆえに証明が非常に難しい。それを解決したのが宇宙際タイヒミュラー理論。足し算と掛け算をバラバラにし、”対称性”を通じて情報を伝達する。対称性の議論は群論にもつながり、アーベル群を利用する。(”対称性”といえば、素粒子論でも最も重要な概念だ)
本書は初心者向けに書かれているため理論のほんの一端にしか触れていないが、革新的な理論により数学界が前進していくことに対しての筆者の興奮を感じさせられた。
一言コメント
足し算と掛け算、この二つの絡み合いは想像を遥かに超えて奥深いということがよく分かります。世界にも理解できている人は数えるほどしかいないという超難解理論ゆえ、中身についてはほぼ分かっていませんが、この新たな理論から何が生まれていくのか興味がわきます。
2022/3/5