基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
われはロボット | アイザック・アシモフ | 2021年3月28日 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ ※ネタバレを含みます
①ロボットは人間に危害を加えてはならない
②ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。
③ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
この3つからなるのが、本作でアシモフが考え出したロボット三原則。アシモフはこの三原則から出発し、様々な短編を作り上げる。ロボットが不可解な行動をするのはなぜか?ロボットと人間をどう見分けるのか?ロボット三原則に従わないロボットをどう見つけ出すのか?そうした難題を解き明かすのが、ロボット三原則に精通し、ロボット心理を理解したロボット心理学者である。スーザン・キャルヴィンはその一人。彼女の口から、ロボットを巡る各種の物語が語られる。ロボット三原則自体が未来への深い洞察に基づく素晴らしい発明だが、そこからこれだけ多くの面白い物語を作り出せるアシモフは天才というほかない。2021年の今もロボットは思考からほど遠く。ロボット三原則という原則にだけ従うロボットを作ることはできそうにない。現実はSFよりはるかに現実だった。それでも、アシモフがロボット三原則から作り上げた一つの宇宙の価値はきっと衰えることはない。
一言コメント
ロボット三原則で有名な作品。ロボット心理学者が活躍する未来はまだやってきそうになく、内容を今でも古く感じさせないのは流石SFの大家と思います。
2022/4/30