『眠れないほどおもしろい徒然草』

基本情報

書名著者読了日評価分野
眠れないほどおもしろい徒然草板野博行2021年3月20日⭐️⭐️⭐️Literature

読書メモ

徒然草の面白さを語った本。わずか30歳頃で出家した兼好は70歳過ぎで亡くなるまでつれづれなるままに文章を書き続けた。そんな徒然草は章の間での矛盾もある―恋についてロマンチスト的な主張を繰り広げる一方で、徹底的な現実主義者だ―が、人の考え方は日々変わるものだから、そのことによってかえって作品の価値が上がっているように思える。他の章でも兼好は、人間に対しての深い洞察を語っている。凡人は形を大事にせよ、寸暇を惜しむな、といった教訓は今でも通用する。おそらく兼好法師の考えで一貫しているのは”無常観”、すなわち俗世的な富や権力は永遠ではないという認識と、現実主義、すなわち人間は決して高尚な善なる存在ではないのだという認識にあるのではないか。俗世と仏教の道の間で揺れ動き、冷静な目で人間を見つめ続けた兼好法師。いつの時代も人間は変わらない。徒然草の魅力がよく分かった。

一言コメント

徒然草は知識としては知っていても、その中身はほとんど知りませんでした。この本を読むと、その中身は兼好法師が人生の色々なできことについて自由に語ったもので、現代にも生きる教訓が多くあるということがよく理解できます。昔の人が考えてきたことを知るのは面白いですね。
2022/4/30

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