基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
華氏451度 | レイ・ブラッドベリ | 2021年3月2日 | ⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ ※ネタバレを含みます
”fireman”の意味が変わった世界、華氏451度で本が焼かれる世界が描かれる。主人公は本を焼く側の人間だったが、不思議な少女との出会いで本の価値に目覚める。主人公は政府から追われる運命になり、本を守る人々に救われながら逃亡を図っていく。都市が戦争で壊滅する中、本の記憶があればまたやり直せるという希望をもって物語は終わる。
物語の流れは雑にも感じるが、設定とタイトルが秀逸というほかない。テレビのような受動的な娯楽に囲まれ、人々は考える時間と意思を失い、自ら本を焼くことを選んだ―この設定は情報にあふれる現代においても決して他人ごとではないと感じさせられる。本が焼かれる世界にならないことを願う。
一言コメント
タイトルに惹かれて一気読み。”fireman”のダブルミーニングは見事ですが、物語としてはそこまで面白くなかったというのが正直な感想です。現代の本離れにも警鐘を鳴らすような内容ですが、この本自体も読まれなくなっていると考えると虚しさを感じてしまいます。
2022/4/30