『人間と社会を変えた9つの確率・統計学物語』

基本情報

書名著者読了日評価分野
人間と社会を変えた9つの確率・統計学物語松原 望2021年6月19日⭐️⭐️Mathmatics

読書メモ

確率・統計が発展していく過程を9つの物語から解き明かす。確率の始まりはパスカルとフェルマーの往復書簡だ。ギャンブルを途中で中断した後、どのように掛け金を分配するのが公平かという疑問から、今でいう確率理論の先駆けが生まれた。その後、ベルヌーイやド・モアブル、ベイズを経て、ラプラスによって古典確率論は一つの完成を見る。ここで最も重要な分布は正規分布だが、ガウスは誤差の仮定のみから正規分布を導出した。
その後は現代統計論である。ケトレー、ゴルトン、ピアソン、ゴセット、フィッシャー、ネイマンらだ。統計的仮説検定やt分布など、現代統計論が少しずつ作られていった。
現代人からすれば、起こっていないことを考える確率の考え方は当たり前である。が、それは決して当たり前ではなかったのだ。経験から真理を見出そうとする統計もまた、長い歴史を経て生まれてきたものだ。
日々使っている確率・統計の裏にはストーリーがある。ストーリーを無視して手法だけ使うべきではない、筆者が主張したいのはそのことなのだろう。

一言コメント

現代人にとって確率・統計の考え方は当たり前ですが、その考え方が作られるまでには長い歴史がありました。偉大な先人たちに感謝です。
2022/5/1

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