基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
三十六歌仙 | 吉海直人 | 2022年5月21日 | ⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ
三十六歌仙は、藤原公任撰の『三十六人撰』を基にして作られた一首歌仙本である。数多くの優れた歌人が選出されているにも関わらず、その知名度は百人一首と比べると極めて低い。本書は三十六歌仙について、歌人ごとに数種の歌と共に紹介した本である。当然のことながら百人一首とのかぶりも多く、見慣れた歌も多いが、三十六歌仙にしか登場しない歌を含め魅力的な点は多い。
本書の特徴の一つは、歌仙絵に注目していることである。後世に書かれた歌仙絵は所収歌との相関関係が推測されるものもある。その点を含め、筆者は歌仙絵についても丁寧に解説していっている。
本書を読んでも、中々三十六歌仙は記憶に残らない。今後含めて百人一首ほどの熱量で三十六歌仙を学ぶことはきっとないだろう。しかし、百人一首だけではない豊かな世界が確かにある、と知れただけでも十分だ。
一言コメント
百人一首以外の歌って本当に覚えられないのですが、私だけでしょうか。本書の三十六歌仙も、歌人の名前、収録されている歌ともにほとんど記憶には残っていないのですが、三十六歌仙という豊かな世界の一片を見ることができたのでよしとしたいと思います。
2022/10/2