『自負と偏見』

基本情報

書名著者読了日評価分野
自負と偏見ジェイン・オースティン2022年8月12日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Literature

読書メモ ※ネタバレを含みます

イギリスの田舎町ロングボーンに暮らすベネット一家。彼らの暮らす町に資産家ビングリーが引っ越してくる。女性が働いて資産を持つことは難しく、女の幸せは結婚にしかないと思われていた時代、ベネット夫人は玉の輿を狙って5人の娘をビングリーと結婚させようと試みる。最初の出会いで、美しく純粋な長女ジェインはビングリーと相互に惹かれ合うが、次女エリザベスは気位の高い友人ダーシーに対して第一印象から反感を抱く。ダーシーはエリザベスに心惹かれていたのだが―。
その後物語はジェインとビングリー、ダーシーとエリザベスを中心に展開していく。ジェインとビングリーは誰が見ても惹かれ合っているのに、身分の違いと双方の慎重な性格もあって中々進展せず、周囲の人間の干渉によってビングリーはロングボーンを去ってしまう。エリザベスは、ベネット家の遺産の相続権を持つミスター・コリンズから求婚されるが、コリンズの俗物さに嫌気がさして求婚を拒絶する。その後エリザベスは町で出会った見た目のいいウィッカムに惹かれ、彼からダーシーの悪い噂を聞いたことで、一層ダーシーに対する憎しみを募らせる。ダーシーがエリザベスに対する強い想いを募らせているなど露知らずー。その後、ついにダーシーはエリザベスに求婚するが、ダーシーを憎むエリザベスは冷たく拒絶する。ダーシーは去るが、エリザベスの誤解を晴らすため長文の手紙を送る。手紙を見たエリザベスは、その後ダーシー周囲の人間からの評判も聞き、第一印象でダーシーに対して持った偏見から、彼のことを誤解していたのではないかと思うようになる。ダーシーもまた、自分のような身分の高い人間がエリザベスのような身分の低い人間に拒絶すると考えもしなかった自らの高慢を恥じ、考え方を改める。
少しずつ二人の間に合った高慢と偏見が溶けていく中、ウィッカムとエリザベスの愚かな妹リディアが未婚で駆け落ちするという大事件が起きる。そんな事件において、ウィッカムと深い確執がありながら、自らの名を明かさず、ベネット一家の危機を救ってくれたダーシーの行動にエリザベスは感銘を受ける。一時は拒否した求婚、エリザベスもダーシーに対して複雑な感情を持ちながら会うが、ダーシーの気持ち変わっていないどころか以前より強くなっていた。偏見から解き放たれたエリザベスもダーシーを深く愛するようになり、二人は幸せな結婚をするに至る。時を少し遡り、ジェインとビングリーも結ばれていた。
この小説は、エリザベスが偏見を、ダーシーが高慢さを持ち、それゆえに一時すれ違っていた二人が、それぞれの過ちに気づき、幸せな結婚を迎える物語である。二人ともが成長して最後に幸せになれるストーリーは読んでいて気持ちがいい。何より、女性の立場がまだ弱かった時代に、自らの意見を確かに持ち、自立しているエリザベスは本当に魅力的なヒロインである。恋愛小説の金字塔、ここにあり。

一言コメント

いやあ、エリザベスいいですね。そんなに恋愛小説は読んでいなかったのですが、高慢と偏見はさすが最高傑作と呼ばれるだけあります。ジェイン・オースティンの世界に深くハマってしまいました。是非多くの人に読んでほしいです。
2022/10/2

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