『西部戦線異状なし』

基本情報

書名著者読了日評価分野
西部戦線異状なしレマルク2022年4月15日⭐️⭐️⭐️Literature

読書メモ ※ネタバレを含みます

主人公ボイメルは18歳の青年だが、同級生とともに第1次世界大戦に従軍する。彼が参加した塹壕戦の光景は筆舌に尽くしがたいものだった。毎日砲弾や毒ガスが飛び交い、襲撃と逆襲が繰り返される。その度におびただしい数の人間が苦しみ、死んでいく。そんな中ボイメルは、戦友への強い想いだけを胸に必死に生き抜いていく。が、現実は容赦がなく、戦友も一人、また一人と苦しみながら死んでいく。最後に残ったボイメルもまた終戦を迎えることなく戦死し、その死は淡々と読者に伝えられる。その日、「西部戦線異状なし」と。
戦争は地獄だ、悪だというのは簡単であるが、レマルク自身の従軍体験を基に書かれたこの物語は、戦争というものを短い文字で形容することは全く不可能だということを痛感させてくれる。わずか18歳のボイメルとその仲間たちは、戦争によって青春を奪われ、全く違った人間になってしまった。若くして戦争に参加した少年の心の声、戦地の実情には、とても衝撃を受ける。
折しも戦争が起きている2022年、この物語をどう読むべきだろう。この過ちを繰り返さないために何ができるか自問したい。

一言コメント

有名な戦争文学の傑作ですが、そのインパクトは凄まじいものがあります。今も戦争が起きている地域では、この小説のような悲劇が起こっていると思うと心が痛みます。世界に無関心でいないためにも、読んでおいた方がいい作品の一つです。
2022/10/2

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