基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
老人と海 | ヘミングウェイ | 2021年2月28日 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ ※ネタバレを含みます
海に生きてきた老人が84日間の不漁の後、巨大カジキに出会い、釣り上げるために奮闘する。闘いの過程の描写はリアルで力強い。そんな奮闘の果てに手に入れたカジキだが、容赦のない海はそれさえも奪っていく。サメが何度も襲来し、老人は身の回りにあるものを使って必死に抵抗し、大魚を守るが、老人の努力むなしく陸地に戻ったときには大魚の骨しか残っていなかった。残ったものは何もないし、老人の奮闘を知るものは誰もいない。どうしても避けがたい老いの中、容赦のない海と闘い続け、ついに敗北した老人の生き方は空しい、が、そこには確かな格好良さ、気高さがある。陸地に戻ってきた老人を見て、老人をよく知る子どもは”一緒に海に行こう”と呼びかける。これから海の男になろうとしている少年は、老人の生き方の気高さを分かって声をかけたのだろう。きっと老人の生き様は記憶され、少年に受け継がれる。そこに救いがある。短い中に老いの残酷さや、それでも闘わずにはいられない生き様の格好良さ、次世代への希望が詰まった本作は傑作というほかない。
一言コメント
言わずと知れたヘミングウェイ作品です。短くて簡単に読めてしまいますが、その内容は非常に心に残ります。
2022/3/6