基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
ティファニーで朝食を | トルーマン・カポーティ | 2021年3月13日 | ⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ ※ネタバレを含みます
ティファニーで朝食を―そんな上流階級の生活を夢見て、金持ちに囲まれる日々を送るホリー・ゴライトリー。冴えない主人公はそんな彼女の生き方に徐々に惹かれていき、ホリーも主人公に少しずつ心を許すようになっていく。そんなホリーは意図せずして、犯罪者に情報を流してお金をもらう役割を担っていた。彼女は犯罪が発覚すると同時にすべてを失い、国外逃亡を決意する。その後彼女はどうなったのだろうか?その手掛かりとも言えるものは、アフリカから届いた一つの目撃情報だけだ。過去の田舎での生活を捨て、理想を夢見て、どこまでも自分らしく―悪く言えば自分勝手に―生きたホリー・ゴライトリー。彼女に惹かれる主人公の想いには共感する。
本文で書かれていないが、きっとホリー・ゴライトリーはどこか遠くで彼女らしく生きている。そう思わされた。
一言コメント
映画版ではオードリーヘップバーンが演じたことで有名な『ティファニーで朝食を』。勝手に持っていた先入観とは違って、主人公ホリー・ゴライトリーの暮らしは虚飾に塗れたものでした。本作品では描かれなかったホリー・ゴライトリーの「その後」をどう考えるかは、読者に委ねられているのでしょう。
2022/4/30