基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
東大現代文で思考力を鍛える | 出口汪 | 2021年3月27日 | ⭐️⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ
東大の現代文は面白い。そのことがよくわかる本。東大の現代文では、常識を根本から覆すような文章が多く出題されている。木村敏氏による「自然とは根源的に非合理であり、人類が勝手に設定した合理性という枠の上に築かれた文明は虚構である」という論考。宇野邦一氏による「歴史は書かれたこと、書かれなかったこと、あったこと、ありえたこと、なかったことの間に霧のようにまたがっており、自身も歴史によって作られ、歴史を作る存在となることは、喜びであり苦しみであり重みである」という論考。受験生時代はこうした文章の意味をおそらく分かってはいなかった。今なら東大の先生が問いかけたいことがよくわかる。常識を疑い、深い思考をしろ、と。東大のすばらしさを再発見した。現代の偉大な知性による文章を読むことの重要性は誇張しすぎることはできないし、今後も深い思考を摂取していきたい。
一言コメント
受験生時代は東大入試の現代文の文章を味わう余裕など全くありませんでしたが、今見るとどれも素晴らしいものだったということがよく分かります。
2022/4/30