基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
嵐が丘 | エミリー・ブロンテ | 2021年4月25日 | ⭐️⭐️⭐️ | Literature |
読書メモ ※ネタバレを含みます
豊かな家に拾われたヒースクリフ。彼は家の子キャサリンに惹かれるが、その深すぎる愛は狂気を生み、恐ろしい復讐へと彼を駆り立てていく――。ヒースクリフを痛めつけた人だけではなく、周りの人々までも巻き込んだ復讐劇。人間かくも執念深くなれるのか―。そんな様子が、現在からさかのぼって家政婦ネリーの口から語られていく。現代の不思議な嵐が丘の様子がなぜ形成されたのか、それが徐々に解き明かされていく構成は見事というほかない。最後にはヒースクリフは復讐の虚しさを悟り、ひっそりと死んでいく。キャシーとヘアトンが結ばれ、ハッピーエンドで物語は終わる。
ヒースクリフは恐ろしい復讐に生きた男だが、せめてキャサリンの隣に埋葬されることで彼が救われていることを願う。
一言コメント
恋愛小説と呼ぶには主人公ヒースクリフが陰湿に過ぎるでしょうか。この作品は愛の物語であると同時に復讐の物語です。幸せな気分にさせてくれるような作品ではありませんが、確かに読み甲斐があります。
2022/4/30