『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』

基本情報

書名著者読了日評価分野
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50山口 周2021年6月6日⭐️⭐️⭐️Philosophy

読書メモ

哲学は武器になる―本書のメッセージはそれに尽きる。他の哲学入門とは一線を画し、本書は”役立つ”哲学の知識を紹介する。
例えば、フェスティンガーの認知的不協和理論は、人間が後付けで合理化を図る生き物だということを分からせてくれる。サルトルのアンガージュマンは、周りを巻き込んで人生を築いていく重要性を語る。一方、フロムの自由からの逃走にあるように、自由とは時として重いものだ。ミルの悪魔の代弁者は、組織での議論に欠かせない視点だ。モースの贈与論からは、金銭的な報酬に囚われない相互関係の重要性を学ぶことができる。ラーナーの公正世界仮説の思想は現代で最も重要かもしれない。努力は必ず報われる、すなわち、報われていないなら努力していない。そんな自己責任論は誤りだ。デリダの脱構築は、問いの裏にある前提を崩し、新たな視座を与えてくれる。
哲学ほど役立つ学問はない。偉大な先人たちが積み重ねてくれた思考の型や、人間の限界を知ることで、あらゆる課題に対して質の高い思考をすることができる。哲学という武器を身に着けたい、これからも。

一言コメント

哲学ほど役に立つ学問はないというのは大いに共感します。流動的な世界で、思考の道標になってくれるものは哲学だと思います。
2022/5/1

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