基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
般若心経 | 玄侑宗久 | 2022年1月15日 | ⭐️⭐️⭐️⭐️ | Religion & Myth |
読書メモ
この世界には理知を超えた知があるーその一つが本書が扱う般若心経だ。ブッダによって見出されたこの知は、体験的な知である。「般若波羅蜜多」、現語では「ブラジュニャー・パーラミター」に至る実践を表したものだ。したがって、般若心経を理知的に理解しようとすることは誤りであるが、その前提を置いた上で、般若心経への解説が展開される。理知的に要約を付与しようと試みるならば、全ては「空」、自性のある確かな存在ではあり得ない、ということになろうか。そして「空」の中で永遠なる心の平穏を得る実践が「般若波羅蜜多」なのである。神秘的な呪文を唱えることで世の一切の苦悩が取り除かれ、「般若波羅蜜多」に至ることができるのだ、と。この実践的な知を十分に理解、いや、体得することは全くできていないが、理知を超えた知があるということを知ること自体、理知に毒された現代人には大いに意義があるに違いない。「いのち」は理解しようとするものではなく、感じるものなのかもしれない。
一言コメント
理知ではない実践的な知がある、というのはとても大事な学びでした。もちろんこの知を体得することは全くできてはいないのですが、とても興味深い内容です。
2022/10/2