基本情報
書名 | 著者 | 読了日 | 評価 | 分野 |
フロイト | リチャード・アッピグナネッセイ | 2022年2月5日 | ⭐️⭐️ | Psychology |
読書メモ
フロイトの人生、思想をマンガ形式でわかりやすく紹介する。フロイトの生まれた時代は、人間の精神については全くと言っていいほど分かっていなかった。その中でフロイトは、精神分析という新たな学問を生み出し、精神病患者の治療を通じて様々な理論を見出す。例えば、エディプス・コンプレックスであり、性の発達段階理論であり、生と死への本能である。これらの議論は反証可能性という観点からは科学的ではないという批判に開かれているが、人の精神が一種神聖なものだと考えられていた当時においてはかなりセンセーションを巻き起こしたに違いない。現代においてフロイト理論を完全に真に受けるべきではないが、フロイトが20世紀科学に大きな影響を与えた大科学者であったことだけは間違いないだろう。
一言コメント
フロイトの学説はセンセーショナルである一方で、疑問を感じずにはいられない点も多く、なぜこれほどフロイトが重要な学者とみなされているかは長らく不思議でした。この本を読んだことで、その理由が少しわかったような気がします。フロイト理論を額面通り受け取ると問題大ありですが、人間の精神という神聖と考えられていたものを科学の対象にした彼の学説は、今でも魅力があります。
2022/10/2