『サロメ』

基本情報

書名著者読了日評価分野
サロメオスカー・ワイルド2022年4月29日⭐️⭐️Literature

読書メモ ※ネタバレを含みます

美しき王女サロメは、月明かりの夜に預言者ヨカナーンに恋をするが、ヨカナーンはサロメを拒絶する。それを受け、サロメはエロドにヨカナーンの首を所望する。最終的にサロメはヨカナーンの首に口づけをし、サロメ自身も王によって殺される。官能的で死の雰囲気が漂う中で物語が終幕する―。
そんな要約を付してみても、この戯曲の魅力はは少しも伝わらないだろう。そもそも戯曲として書かれているので、文章だけを読んだところで、この作品の一片しか鑑賞できていないことは間違いない。拒絶された愛しい人間の生首に口づけをするサロメの狂気―、そして戯曲全体に漂う官能的で死を感じさせる雰囲気―、思わず舞台作品として味わいたくなる。
オスカー・ワイルドの『サロメ』は、世紀末において、ファム・ファタールの象徴としてのサロメの名を広めた作品としてあまりにも有名だ。なるほど確かに、ヨカナーンの生首を持って、妖し気に、愛おし気に微笑むサロメの絵は――、想像するだけで頭に焼き付いて離れない力を持っている。それがこの作品の力なのだ。

一言コメント

ヨカナーン(預言者ヨハネ)の生首を持つサロメ、というのは西洋美術においても多く描かれていますが、その妖しい魅力を広めたオスカー・ワイルドの原作を読んでみました。舞台作品として是非見てみたいです。
2022/10/2

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