2021年の読書歴を振り返る⑤

2021年も終わるので、改めて今年1年間の読書歴を振り返ってみたいと思います。
2021年から、Notionを利用して読書録をつけ始めました。前記事では全体的な振り返りを行ったので、本記事ではテーマ別に印象に残った本を紹介していきます。

9. 社会学、人類学

経済学畑にいて社会学はあまり触れてきませんでしたが、現代社会を理解する上で欠かせない教養として、今年になって10冊以上読みました。

①『消費社会の神話と構造』ジャン・ボードリヤール
社会学の1冊目はもはや古典となった名著です。高名な社会学者が消費社会の本質について語ります。以下は読書録からの引用です。

全ての消費者は自分で望み、自由に消費を行っていると信じているが、実は消費という記号に従い、差異化を強制されているに過ぎない。(中略) 現代社会は豊かであると同時に、永遠の渇望を宿命づけられているかのようだ。(中略)
本質的に「個々の欲求が生産の産物(=生産によって真の欲求が歪められている)」なのではなく、「欲求のシステム自体が生産のシステムの産物」なのだ。 消費者は自由に商品を選択していると信じている。しかし実際は資本主義システムによって生み出された構造的窮乏の中で、システムによって差異化された記号を消費し、作られた欲求を満たしているに過ぎないのである。

本書で提示されたボードリヤールの差異的消費の理論は、同じような機能の商品が繰り返し投入され、莫大な広告費をかけて販売されている現代においても、決して色褪せてはいないと感じます。

②『THE LONELY CENTURY』ノリーナ・ハーツ
社会学の2冊目は現代社会の病理を扱った本。コロナ禍もあり、現代ほど人が孤独になった世紀はありません。なぜ人は孤独になってしまったのか、その運命を変えるには何をするべきかが語られます。以下は読書録からの引用です。

21世紀ほど人類が孤独になった世紀はない。そしてそれは新型コロナの感染拡大及びロックダウンによって加速している。(中略)
様々なデータが示すように、現代ではどの先進国も孤独を感じる人の割合が非常に高い。孤独は個人・社会に対して非常に悪い影響をもたらす。(中略)
現代人が孤独なのではコロナ禍で始まったことではなく、構造的な問題がある。(中略)都会は儀礼的無関心の場であり、人は孤独になりやすい。農村で成立していた地域社会は人の流動性が高い都市では成立せず、人はコミュニティを持たない状況に追い込まれてしまう。デジタル化とコンタクトレスの都市設計は、住民同士の何気ない交流の頻度を低下させてきた。スマートフォンとSNSは人と常時つながっているように錯覚させるが、対面でのコミュニケーションにおける共感力を低下させ、質の高い交流機会を奪っている。(中略)
 孤独の世紀を逆転するには何をすればよいのだろうか。それは、孤独に向けた構造的要因―伝統的な家族やコミュニティを崩壊させ、過度な個人主義と効率至上主義を生んだ新自由主義―を修正することだ。(中略)
21世紀を孤独の世紀ではなく、誰もが誰かと繋がっていると感じられる世紀にしたい、筆者の想いには非常に共感する。

ともすれば孤独になりがちな現代、人の繋がりは経済効率性よりもはるかに大事であると改めて思います。

③『二重に差別される女たち』ミッキ・ケンダル
社会学の3冊目はアメリカ黒人女性の置かれた苦しい状況を語った本。以下は読書録からの引用です。

この文章は「わたし」の怒りそのものだ―。 本書の著者はアメリカに暮らす黒人女性。近年フェミニズム運動が盛んになっているが、その「連帯」はあくまで白人女性にとどまっていて、黒人女性が排除されていることを筆者は糾弾する。(中略)
筆者はそんな「2重の差別」を自らの生々しい経験に基づいて語っていく。筆者は貧しい「フッド」に生まれたが、偶然にも十分な社会的地位を手に入れることができた。しかし、一歩間違えれば全く人生の方向性が異なっていたであろう出来事に何度も遭遇している。(中略)
本書は驚くほど「わたし」という言葉が多用されている。それによって、本書は人の心を打つ強い力を持っている。 「客観的であるべし」ということ自体、実は強者の抑圧の手段に過ぎないのかもしれない。そして、社会を変えるのはきっと、客観的ぶって何も言わない傍観者ではなく、「怒れるわたし」なのだ。

これほど「わたしの怒り」に満ちた本を読んだことはありませんでした。社会を変えるのは冷静な傍観者ではなく、声を上げる当事者なのだろうと強く感じます。かなり衝撃的な内容でした。

④『21世紀の文化人類学』前川啓治他
文化人類学からも1冊だけ紹介します。現代の文化人類学を概観した本。以下は読書録からの引用です。

21世紀の文化人類学はどこに向かうのか―それを何人かの文化人類学者が語る。(中略)
フィールドワーカーは所属する文化や言語によって思考や表現が規定されている。そんなフィールドワーカーが、調査先の文化を相対的に見る(=超越的視点を持つ)ことは根源的に不可能だ。(中略)ポストモダンの影響を受けた1980年代の『文化を書く』論争の中で、「民族誌」は客観的たりえないという自己批判がなされる。この後、一般的理論を語れない文化人類学は知的世界をリードできず、衰退していく。(中略)
一方で、「われわれ」の思考を相対化する文化人類学の価値は、現代において非常に高まっているはずだ。 文化人類学が自己批判を自ら超克し、知的世界をリードすることが、社会科学ひいては人類に大いに貢献することだけは間違いないだろう。

存在論的転回や、時間性の超越など、本書で展開される議論は難解で、全てを理解できているわけではありません。それでも文化人類学的な考え方の重要性は強く感じました。

10. 哲学、思想

最後は哲学・思想系です。ここに分類するのが適切なのか分からないものもありますが、20冊程度読みました。

⑤『反脆弱性』ナシーム・ニコラス・タレブ
哲学、思想の1冊目は世界的知性であるタレブが、自身の思想を語った書です。以下は読書録からの引用です。

ブラックスワンの作者タレブが、Antifragile(反脆弱性)の概念を語った書。圧倒的な知性と教養を併せ持つ筆者が自由に書きたいことを書いているが、メッセージは一つ。「反脆弱になれ」と。変動やリスクによって大きなダメージを受けるのが”脆い”、変動やリスクの影響を受けづらいのが”頑健”だとすれば、”反脆い”ものは、変動やリスクによってかえって利益を得るのだ。(中略)
本書は全体を通して圧倒的な説得力がある。タレブの言う”反脆さ”という概念は、確かなレベルで自身の思考の中にも刷り込まれてしまった。

変動やリスクによって打撃を被る脆い存在になるな、それらによってかえって利益を得る反脆い存在になれ、と。タレブ流の思考術は、生きていく上でかなり重要な示唆を与えてくれるように思います。

⑥『Humankind 希望の歴史』ルドガー・ブレグマン
哲学、思想の2冊目は最近話題の希望に満ちた書です。人類は根源的に善良だという新しい人間観を高らかに宣言しています。以下は読書録からの引用です。

筆者は説く、人間の本質は善であるーと。(中略)
今まで数々の言説によって、人間の今まで数々の言説によって、人間の本質は悪だと主張されてきた。しかし、人間の本質を悪だとする主張は事実を正しく捉えていないし、予言の自己成就のメカニズムを通じて、人間を実際に悪にしてしまうという意味において最悪なのだ。(中略)人間性を貶めることによる悪のループから人間を救うためには、こうした希望に満ちた主張が、今最も求められているのではないだろうか。(中略)
本書ではこの主張を裏付けるため、ヒュドラのように恐ろしい「ベニヤ説」―人間の本質は悪だという「神話」―を一つずつ反証していく。(中略)
人が人に思いやりと信頼をもって望めば、きっと向こうもそれに答えてくれる。第1次大戦の塹壕において、クリスマスに自然発生した休戦のように。相互不信の運命を変えようではないかーと。(中略)
少しでもすべての人がお互いを尊重し合える世界に近づくことを祈らずにはいられない。

人間に対して悲観的な見方が溢れる世界ですが、今求められているのはこうした楽観的な人間観だと思います。純粋に利己的な人間はほとんどおらず、ほとんどの人は誰かのために働きたいと思っているのではないでしょうか。人間を信じるところから始めれば、社会はより良くなっていくような気がします。素晴らしい本でした。

2021年の総括は以上です。気が向いたら今後も読書録の原文を投稿していきます。来年は何を読みましょうか。来年も良い本に出会い、また一つ人生が豊かになることを祈って筆を置きたいと思います。

2021年の読書歴を振り返る④

2021年も終わるので、改めて今年1年間の読書歴を振り返ってみたいと思います。
2021年から、Notionを利用して読書録をつけ始めました。前記事では全体的な振り返りを行ったので、本記事ではテーマ別に印象に残った本を紹介していきます。

6. 経済学、金融、国際開発

開発経済学と金融は大学時代の専攻でした。再読含めて20冊程度読んでいます。途上国がどのように発展していくのかは引き続き考えていきたいテーマです。本業で金融機関に関わっているため、金融関連の本も意識的に読みました。

①『ドーナツ経済学が世界を救う』ケイト・ラワース
経済学から1冊だけ。SDGsが叫ばれ、環境問題の脅威がリアルになってきた時代、人類はどこに向かっていくべきかを書いた本です。以下は読書録からの引用です。

目指すべきはドーナツの図―すなわち、社会的基盤を充足させつつ、環境的基盤を損なわない範囲―に経済を収めることだ。筆者は今まで経済学者によって作られてきた物語を強く批判する。①市場は完璧ではない。②企業は株式価値の最大化ではない目的を持つ必要がある。③国家は大きな役割を持つ。④家計や社会の貢献を無視してはならない。(”社会はある”)⑤地球は全ての基盤で資源は無尽蔵ではない。(中略)
最後に筆者は、ロストウの経済発展モデルにおいて、成長しないモデル(サーキュラーエコノミー)に”着陸”させるべきだと提言する。

ドーナツの図は視覚的にわかりやすく、これから人類が一致団結して立ち向かっていくうえで重要な指針になりそうです。関連して、脱成長を説いた斎藤幸平著『人新世の資本論』、資本主義の理念の欠如を批判したエドワード・スキデルスキー&ロバート・スキデルスキー著『じゅうぶん豊かで、貧しい社会:理念なき資本主義の末路』、ダボス会議で話題になったクラウス・シュワブ&ティエリ・マルレ著『グレート・リセット』なども読みました。少なくとも今の新自由主義的な資本主義が多くの矛盾を抱えていることは間違いありません。人間社会はどこに向かっていくべきか、大きな宿題を課せられているように思います。
また、特定の1冊というものはありませんが、本業に関連して金融の未来を予想した本も何冊か読みました。伝統的な金融機関は低金利やフィンテックの台頭などで苦境にあります。デジタル化を進め、顧客に最大の価値を提供する、そこに生き残りの道があるといことはどの本でも共通して言われていることですが、「言うは易し」ということは最近痛感しているところです。

7. 歴史

歴史は昔から興味があり、今年度も何冊か読みました。

②『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ
歴史からも1冊だけ。言わずと知れた有名な書です。人類がなぜ生物界の覇者になれたのか、その理由を深い洞察で解き明かしていきます。以下は読書録からの引用です。

当初ホモ・サピエンスはサバンナの弱者で、死肉を漁る取るに足らない存在だった。そこから、他の人類種を全て滅ぼし、過去に例がないほど生態系を破壊するに至らしめた最初の力は認知革命だ。虚構の物語を作り出し、顔も知らない人々が協力し合うことで、個々の力では劣っていても生態系の覇者になることができた。(中略)
筆者に言わせれば、ホモ・サピエンスは特別でもなんでもはなく、小さな偶然によって大きな力を手にした一つの種に過ぎないのだ。そして、家父長制に全く根拠がないのと同じように、人権や貨幣といった虚構にも根拠はない。ただし、虚構を信じることがホモ・サピエンス最大の力である。

虚構こそが人類を結びつけ、生物界の覇者たらしめた力である、と。世界的な知性による洞察の深さには驚かされます。
こうした大きな物語だけではなく、個別の期間、個別の地域の歴史にもそれぞれの魅力があります。来年も色々な歴史の物語を知っていきたいなと思います。

8. 国際問題、政治

国際問題や政治学には興味がありますが、専門性が薄く、あまり読めていないところです。何冊かは読んでいます。

③『保守主義とは何か』宇野重規
政治関連で1冊だけ紹介します。政治について意見を持ちつつも、それを支える思想的基盤について深く知らないことは問題意識としてありました。本書は新書ですが、保守主義についてわかりやすく説明しています。以下は読書録からの引用です。

保守主義の源流はフランス革命に反対したエドマンド・バークだと言われる。バークは、イギリス議会主義による漸進的な自由の拡大には賛成しつつも、フランス革命の急進的な改革には反対した。イギリス議会主義の伝統という守るべき価値があっての保守主義であったのだ。 進歩があっての保守主義は、時代と共に必然的に変質する。(中略)
20世紀後半になると、いわゆる大きな政府、社会民主主義的なモデルが進歩の考え方として台頭する。これに異を唱えたのがカークである。(中略)アメリカ保守主義は、宗教的伝統の強調と、独立した個人の強調(経済的リバタリアニズム)に特徴があり、ヨーロッパ的な保守主義とは一線を画している。(中略)
先が見えない時代において、歴史的に築き上げてきた社会の伝統、価値観を大切にする保守主義に求められることは多い。一方で、保守主義は、安易な伝統主義に陥るのではなく、多様性に開かれ、自由で創造的なものであるべきだ、と。

進歩あっての保守主義は変質し続けており、一般に保守といってもその内実は人によっても異なります。変革だけが全てではなく、保守の価値が求められる状況があることは間違いないと感じます。
政治・思想史についてはこれからも学んでいきたいところです。

2021年の読書歴を振り返る③

2021年も終わるので、改めて今年1年間の読書歴を振り返ってみたいと思います。
2021年から、Notionを利用して読書録をつけ始めました。前記事では全体的な振り返りを行ったので、本記事ではテーマ別に印象に残った本を紹介していきます。

3. 物理・化学・生物学

知識はそれほどありませんが、やはり科学は面白いと感じます。ニュートンと日経サイエンスを定期購読しつつ、この分野は20冊程度読みました。

①『量子力学の奥深くに隠されているもの』ショーン・キャロル
まずは物理系から1冊。量子力学と言えば、我々の常識を超えたミクロの世界の振る舞いが有名です。量子力学は高い予測精度を誇り、様々な技術に役立てられている非常に実用的な学問ですが、その理論をどのように解釈するべきかはわかっていません。以下は読書録からの引用です。

量子力学の観測事実は、あらゆる物質は波動として存在し、観測することで粒子としての性質が現れることを示す。これを”波動関数の収束”で説明したのが伝統的なコペンハーゲン解釈。これに対し筆者は、毎秒環境と量子もつれが発生し、世界が分裂するという多世界解釈(エヴェレット解釈)を唱える。(中略)
量子力学は極めて実用的な理論となっているが、その裏にはある意味棚上げされた解釈問題が横たわっている。多世界解釈は一見奇想天外に見えるが、突き詰めれば、多世界解釈が一番”自然な”解釈だという主張も可能だということが何よりも面白い。

最先端の科学で当然理解できていない部分も多々ありますが、多世界解釈は決してSFの世界だけの話ではなく、説得力のある学説の一つだということは非常に面白いと思いました。量子力学や宇宙論、素粒子論に関しては、解釈問題の歴史を書いたアダム・ベッカー著『実在とは何か』、素粒子論をわかりやすく解説した和田純夫著『物質の究極像をめざして 素粒子論とその歴史』、素粒子論と宇宙論を合わせて解説した村山斉著『宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎』なども興味深い内容でした。物理はロマンです。

②『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』ジェニファー・ダウドナ
続けて化学系から1冊。ノーベル化学賞を獲ったことで有名なCRISPR技術の創始者が、その創作秘話を語る。以下は読書録からの引用です。

そんなCRISPRにより、遺伝子編集技術は極めて簡易―高校生でもできるくらい―になった。 筆者は後半で、CRISPRが巻き起こす重大な生命倫理問題にも果敢に踏み込んでいる。筆者の提言はこうだ。生殖細胞以外の遺伝子編集による遺伝子由来の病気の解決、これは間もなく実現できるはずだし、病気の苦しみを考えても認められるべきだ。一方、生殖細胞の操作―それは人類の遺伝子について後世にわたって不可逆的な影響をもたらす―については、十分議論された後でないと実施してはならない。 想像を超えるCRISPRの力に空恐ろしくなり、トランスヒューマニズム的な未来を感じさせられるが、筆者のような科学者が倫理的な問題に逃げずに向き合い、開かれた議論を巻き起こそうとしていることには勇気づけられる。人類が科学を正しく使う未来が来ることを願う。

CRISPRは素晴らしい技術ですが、人間の遺伝子が改変されていくトランスヒューマニズム的な未来と切り離して考えることができません。マーク・オコネル著『トランスヒューマニズム:人間強化の欲望から不死の夢まで』やユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』でも語られたように、我々の世代は人体強化や遺伝子改変でさえSFの世界の出来事だと一蹴してはならないと感じます。哲学と科学が手を取り、考えていく必要がありそうです。

③『ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学』本川達雄
続けて生物系から1冊。今までの本と合わないくらい可愛いタイトルですが、サイズの観点から生物の生存戦略を読み解いた本書の内容は非常に示唆に富んでいます。以下は読書録からの引用です。

生物界を支配しているのは比例則ではなく、累乗則だ。例えば、標準代謝量は体重のほぼ3/4乗に比例する。単位当たりの酸素消費量は、体重のマイナス1/4乗に比例する。これらを総括すると、生物によって心拍数は異なり、時間の流れ方は異なるが、一生で使うエネルギーは15億ジュールという不思議な事実が明らかになる。ゾウとネズミ、こんなにも異なっているのに、エネルギーという根本的なところに共通点があるのだ。 (中略)
生物はサイズに応じた異なる生存環境にあり、それぞれ合理的な戦略を進化させている、ということだ。 

生物はそれぞれの置かれた環境で合理的に生きているがゆえに、どこかに共通項があるのだと感じさせられました。生物学については福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』も非常に面白い内容です。エントロピー増大則に逆らって秩序を保つ生物の本質は、ミクロレベルの絶え間ない拡散とマクロレベルの秩序が共存した動的平衡にある、と。生物という不思議な存在がどこか愛しく思えます。

4. 心理学・脳科学

非常に興味深い分野で、10冊以上読みました。脳が次々に解き明かされていく中で、人間の本質はどこにあるのか考えさせられます。

④『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』ジョナサン・ハイト
まずは心理学から1冊。過去一度読んでいましたが、今年に入っての再読です。自分の思考のコアを作った1冊といっても過言ではないかも知れません。なぜこんなにも人は意見が分かれ、お互いに分かり合えないのか。その理由がわかります。以下は読書録からの引用です。

なぜリベラルは保守に勝てないのか―その理由を解き明かした本。(中略)
政治的議論・道徳的議論において、人間は理性的な判断をしていると思いこんでいるが、実際には、”象”―すなわち直感ーに支配され、”乗り手”―すなわち理性―は直感的判断の正当化を行うにすぎないのだ。 (中略)
道徳基盤は6つ存在(ケア/危害、公正/欺瞞、忠誠/背信、権威/転覆、神聖/堕落、自由/抑圧)し、保守主義者はそのすべてを考慮するが、リベラルはケア及び自由基盤を特に重視し、他の基盤は存在しないかのようにふるまう。ここにリベラルが勝てない理由がある。(中略)
人間は社会的な動物なのだ。(中略)その点において筆者は、過度な合理主義や個人主義に陥りがちなリベラルを批判する。
筆者は、リベラルと保守の双方から学び、よりよい道を選ぼうというメッセージをもって本書を終える。

自らの思考の偏りを自覚し、異なる考え方から学ぶこと、それが一番大事なのだと感じます。

⑤『知ってるつもり――無知の科学』スティーブン・スローマンフィリップ・ファーンバック
心理学からもう1冊。これも再読で、自分の思考のコアになっています。個々の人間はこんなにも無知なのに、なぜこれだけ複雑な社会が成り立っているのかがずっと疑問でした。以下は読書録からの引用です。

人類は自分が思っているより遥かに無知である―。(中略)
なぜ人類はこんな知覚への過信をしているのか。それは、個人で考えず、コミュニティに知覚を依存しているから。このおかげで個人では決して実現できないレベルの認知的活動を実現できるようになった一方で、他者(AIを含む)に知覚を依存したゆえのリスクも顕在化しているのだ。(中略)
正しい意思決定のために必要なのは、十分な情報を与えることではなく、それぞれの人に専門家の言葉を聞く分別を身に着けてもらうこと。それが教育の役割で、一番必要なことなのだと筆者は説く。

常に知的に謙虚でいたいと改めて思いました。と同時に、無知な人間が集まればこれだけのことができるということには、勇気付けられるように思います。

⑥『運命と選択の科学』ハナー・クリッチロウ
脳科学から1冊。これだけ脳科学が発展した世界で、自由意志と呼べるようなものはあるのか。以下は読書録からの引用です。

「自由意志などない。全ては生物学的に決まっている。」という脳科学的な決定論・宿命論がはびこる世界は絶望に溢れているに違いない。(中略)
恐らく、個々の生物としての人間は、各自が思っている以上に遺伝に影響され、決定論的だ。ただし、そこに自由意志が完全にないわけではない。なぜなら、人間は大きく環境に影響され、集団としてなら、より相互に利他的なように変わることができるから。

人間は遺伝によって決定されている部分は大きく、安易な自己責任論に与するべきではないと感じます。一方で、遺伝で全てが決まり、完全に人に自由意志がないというわけではありません。自分の自由意志を信じつつ、他人には自由意志と自己責任を押し付けない、そんな態度が必要なのではないかと思います。
脳科学の知見を知った上で、人間とどう向き合うか考える、現代の最重要テーマではないでしょうか。

5. 数学

数学力は全くないですが、数学の本も何冊か読んでいます。中身は理解できなくても、数学の面白さには惹かれます。

⑦『三体問題』浅田秀樹
数学から1冊だけ紹介します。相互作用する三体の運動を扱うのは極めて難しいという三体問題について語った本です。以下は読書録からの引用です。

三体問題も二体問題と同じように解けるのか?そうではない。三体になったとたんに問題は恐ろしく難しくなる。 三体問題となると、運動方程式に他二天体の位置が入ってくる。加速度は位置の二階微分であるが、このように複雑に絡み合った微分方程式を解くことは極めて困難だ。

三体問題は現代数学をもってしても全く解けていません。2と3の間に大きな不連続性があるというのは、4次方程式までは解析的に解を求めることが可能になのに、5次方程式になると解けなくなるという別の事実を連想してしまいます。
数学は面白いです。数学と哲学こそが学問の基礎だと説いたピタゴラス学派の気持ちはよくわかります。

2021年の読書歴を振り返る②

2021年も終わるので、改めて今年1年間の読書歴を振り返ってみたいと思います。
2021年から、Notionを利用して読書録をつけ始めました。前記事では全体的な振り返りを行ったので、本記事ではテーマ別に印象に残った本を紹介していきます。

1. 文学

今まで文学作品はあまり読んでいなかったですが、今年になって海外文学にハマり、文学評論と合わせて40冊程度読みました。

①『百年の孤独』ガルシア・マルケス
1冊目はノーベル文学賞作家ガルシア・マルケスの『百年の孤独』。史上最高の文学として紹介されることも多い作品です。ある一族の7代200年にも渡る物語は非常に長く、これといったストーリー展開がないまま、神話を語るかのように淡々と話が進んでいきます。男の登場人物には、アルカディオとアウレリャノが交互に命名され、誰の話なのかをつかむだけで大変です。以下は読書録からの引用です。

数々の戦争と搾取、災害の果てに、一族の運命は「豚のしっぽ―破滅の象徴―」に向けて収束していく。すべては最初から決まっていて、時間は流れているようで流れていない。結末が分かっているのに、長い物語にただ引き込まれる。
これほど壮大な世界が一人の人間から生み出されたことに驚嘆させられる。過去最高の文学作品と称される理由はよくわかった。

とても面白いという作品ではないのですが、結末に向かって収束していく描写は見事ですし、これだけの世界が一人の人間から生み出されたことには驚きを感じました。

②『1984年』ジョージ・オーウェル
2冊目はジョージ・オーウェルの『1984年』。ディストピア小説として事あるごとに名前が上がる非常に有名な作品です。 以下は読書録からの引用です。

時は1984年、人々”プロール”と”党員”に分断され、党員は四六時中党に監視される。”テレスクリーン”があちこちに配備され、どんな反逆的な行動も許されない。”思考犯罪”という言葉があり、反抗的な思考をしたとみなされると、存在そのものが消去、すなわち”蒸発”させられてしまう。文字通り、”Big Brother Watches you”の世界。そうした恐ろしい権力の維持を可能にしているのは、徹底的な検閲、文字の簡略化と思考の略奪、絶え間ない歴史の修正にある。(中略)
この本では何よりも、全体主義体制を実現させるための機構のリアルさに感服させられる。名著には読み継がれている理由がある。そして、これからも読み継がれてほしい。いつだって時代はBig Brotherを作りたがる。それを止められるのもまた人間しかいないのだから。

この物語は独裁的な党の主張に疑問を抱いた主人公の物語ですが、とにかく権力を維持するための仕組みの描写が見事です。権力を求めるのは人ですが、権力の暴走を止めるのも人だと感じます。100年後も、「こんな世界にはなっていなくてよかった」という感想と共に読み継がれていてほしい作品です。

③『源氏物語の楽しみかた』林望
3冊目は古文の解説書から。元々百人一首は好きで今でもほとんど覚えていますが、日本の古文関係の本も数冊読みました。本書では、日本古文で最も有名な源氏物語について、深い洞察がなされます。 以下は読書録からの引用です。

光源氏に最も深く長く愛された紫の上については、本書で最も紙幅を割いて語られる。光源氏の浮気癖に悩まされつつも、それとなく諫める気位の高さ。明石の姫君を自分の子どものように育てる優しい心。そんな気位が高く、美しい理想の女性、光源氏の最愛として描かれる紫の上の人生は幸せだったのだろうか。苦しみも多かった人生だと思うが、育てた明石の中宮からは最大の敬意をもって看取られ、死後は光源氏に限りなく悼まれたーそのことをもって紫の上の人生は報われたと言えるかもしれない。源氏物語は面白い。

源氏物語は女性たちの死の物語でもあり、光源氏に愛された女性たちは皆儚くも世を去って行きます。それぞれの登場人物の人生に焦点を当てて深く読んでみると、そこには愛や幸福、無常さがある。解説付きでで読む古文は、大人になった今でも楽しめるものだと思います。

④『教養としてのアメリカ短篇小説』都甲幸治
4冊目はアメリカ文学の解説書。アメリカ文学と言えば、トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』、フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』、ヘミングウェイの『老人と海』、サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』など多く読みましたが、本書は文学作品からアメリカを読み解いた解説書です。 以下は読書録からの引用です。

まず無視できないのは人種問題である。(中略)「劣った」「暗い」黒人に対置する形で「優れた」「明るい」白人のアイデンティティを築いている。そして、それを維持するために戦争・暴力が繰り返されている―。それがアメリカ社会の特徴の一つであり、文学はそうした「アメリカらしさ」から独立してはいられないのだ、と筆者は説く。
マーク・トウェインの『失敗に終わった行軍の個人史』も、戦争賛美・英雄譚に対する批判と読むこともできる。アンダーソンの『手』では、同性愛を疑われた青年が排除されるが、これは「男らしさ」を強調するアメリカ社会を浮き彫りにしている。フィッツジェラルド作品からは過剰なセルフコントロール信仰がはびこる資本主義社会アメリカが見えてくる。(中略)
アメリカは一方で強力な社会であるが、その裏には人種差別や行き過ぎた資本主義、南北の分断といった様々な問題・矛盾を抱えている。文学はそうしたものから独立してはいられず、時にアメリカ社会を痛烈に批判してきた。

文学はその作者が生きた国と時代を映す鏡でもあります。物語としても面白い作品が多いですが、裏にある社会に思いを馳せることで、一層深く文学を読むことができると感じました。
今年1年間で文学の魅力がよく分かりました。人生を豊かにしてくれるお供として、これからも文学作品を読んでいきたいと思います。

2. 美術・宗教・神話

都内で美術展がある度に出かける程度には美術好きですが、関連する本も15冊程度読みました。絵を紹介している美術の本に関しては特にどの本というのはありませんが、絵が多く載っている本を本棚に置いておき、たまに読み返すのは非常にオススメです。

⑤『スペキュラティヴ・デザインの授業』長谷川愛
美術関連で印象に残った本として一冊だけ紹介します。今まで現代アートにはあまり関心がなかったのですが、この本を読んで考え方を改めました。以下は読書録からの引用です。

スペキュラティヴ・デザイン。それは、常識を疑い、作りたい未来の価値を形にすること。社会に対して課題を提起すること。(中略)
例えば、筆者は(不)可能な子どもという作品を世に出した。女性の同性カップルの顔の画像を用い、彼女たちの娘が存在する場合の家族写真を作成する。生物学的に彼女たちは子どもを作ることはできないし、現在同性カップルは養子を持つこともできない。それでも、”家族写真”からは、こんな世界もあり得ると感じさせられる。他にも、イルカと人間の子どもができたら―というアート作品もある。生殖は種に囚われる必要があるのか?ここでも既存の常識を超えていく。 こうした現代アートを通じ、アーティストは課題を提起し、目指すべき社会を考えるための議論を巻き起こすことができる。(中略)よりよい社会を目指すためには、アートの力は大事なのかもしれない。

既存の常識に囚われない現代アートは、視覚的な美しさを追求している伝統的な美術作品とは全く異質なものですが、それ自体非常に興味深いものだと感じました。
今後も美術関連の情報は収集していきたいと思います。

2021年の読書歴を振り返る①

2021年も終わるので、改めて今年1年間の読書歴を振り返ってみたいと思います。
2021年から、Notionを利用して読書録をつけ始めました。本記事では全体の振り返りをしてみたいと思います。

1. 総数

最初に2021年度の読書総数ですが、notionで管理しているもののみで157冊という結果になりました。2日に1冊ペースには届かずですが、まずまず読むことができたかなという感触です。

2. 月別推移

月別の推移を見ると、4月まではかなりのハイペースでしたが、特に下半期は大失速でした。(下半期は仕事が忙しくなりました。。)
上期は文学作品など気軽に読める本の割合が高かったというのも理由の一つです。

3. ジャンル別

独断と偏見でつけているジャンル別で見ると以下の通りです。かなり海外文学を読んだので、やはり文学の比率が高め。哲学が多めなのは、ジャンルが分かりづらいものを哲学に分類しているケースが多いためと思われます。
専攻は開発経済学、本業はITコンサルですが、ビジネス・経済やIT系は少なめです。本業の勉強にはなっていませんね。本業で関わっていないことほど知りたくなってしまいます。

4. 総括

仕事の忙しさに大きく影響されましたが、個人的には質・量ともに満足な読書ライフでした。
次の記事から、特に印象に残った本を紹介していきます。


2021年度読書一覧

NameAuthorFinish
Date
Score /5Type
格差は心を壊す 比較という呪縛ケイト ピケット, リチャード ウィルキンソン2021年1月16日⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学内藤陽介2021年1月16日⭐️⭐️⭐️⭐️History
量子力学の奥深くに隠されているものショーン・キャロル2021年1月17日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
利己的な遺伝子リチャード・ドーキンス2021年1月19日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Science
知ってるつもり――無知の科学スティーブン スローマン, フィリップ ファーンバック2021年1月20日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Psychology
文明が衰亡するとき高坂 正堯2021年1月20日⭐️⭐️History
金融の世界史: バブルと戦争と株式市場板谷 敏彦2021年1月21日⭐️⭐️Finance
宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃加藤 文元2021年1月22日⭐️⭐️Mathmatics
トランスヒューマニズム: 人間強化の欲望から不死の夢までMark O’Connell2021年1月22日⭐️⭐️⭐️Philosophy
さらば、神よリチャード・ドーキンス2021年1月22日⭐️⭐️⭐️Philosophy
ビッグ・クエスチョン 〈人類の難問〉に答えようスティーヴン・ホーキング2021年1月23日⭐️⭐️⭐️Science
リーマン教授にインタビューする――ゼータの起源から深リーマン予想まで小山 信也2021年1月23日⭐️⭐️⭐️Mathmatics
じゅうぶん豊かで、貧しい社会:理念なき資本主義の末路エドワード スキデルスキー, ロバート スキデルスキー2021年1月23日⭐️⭐️⭐️⭐️Development
ニクソンとキッシンジャー大嶽秀夫2021年1月23日⭐️⭐️Politics & Law
国際秩序細谷雄一2021年1月23日⭐️⭐️⭐️Politics & Law
社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学ジョナサン・ハイト2021年2月5日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Psychology
世界はありのままに見ることができないドナルド・ホフマン2021年2月7日⭐️⭐️Psychology
経済学を味わう佐藤泰裕, 岡崎哲二, 市村英彦, 松井彰彦2021年2月7日⭐️⭐️Economics
新しい世界 世界の賢人16人が語る未来yuval noah harari, エマニュエル・トッド, トマ・ピケティ, ナオミ・クライン, ナシーム・ニコラス・タレブ, マイケル・サンデル2021年2月7日⭐️⭐️⭐️Philosophy
みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史日経コンピュータ2021年2月7日⭐️⭐️Finance
地方創生への挑戦北尾吉孝2021年2月7日⭐️⭐️Finance
自由の限界 世界の知性21人が問う国家と民主主義yuval noah harari, エマニュエル・トッド, ジャック・アタリ, マルクス・ガブリエル2021年2月7日⭐️⭐️⭐️Philosophy
「役に立たない」科学が役に立つエイブラハム・フレクスナー, ロベルト・ダイクラーフ2021年2月7日⭐️⭐️Science
反脆弱性(上)ナシーム・ニコラス・タレブ2021年2月7日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
ジェンダーで学ぶ社会学伊藤公雄, 牟田和恵2021年2月7日⭐️⭐️ Sociology
グレート・リセットクラウス・シュワブ, ティエリ・マルレ2021年2月7日⭐️⭐️⭐️Economics
デジタル化する世界と金融 北欧のIT政策とポストコロナの日本への教訓中曽宏2021年2月7日⭐️⭐️Finance
ドーナツ経済学が世界を救うケイト・ラワース2021年2月7日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Economics
CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見ジェニファー・ダウドナ2021年2月7日⭐️⭐️⭐️Science
超約 ヨーロッパの歴史John Hirst2021年2月10日⭐️⭐️⭐️History
反脆弱性(下)ナシーム・ニコラス・タレブ2021年2月10日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
アート思考秋元雄史2021年2月10日⭐️⭐️Art
サイエンス・ライターが古文のプロに聞く こんなに深い日本の古典竹内薫, 黒澤弘光2021年2月14日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
暴力の人類史(下)スティーブン・ピンカー2021年2月22日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
暴力の人類史(上)スティーブン・ピンカー2021年2月22日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
ハックルベリー・フィンの冒険マーク・トウェイン2021年2月27日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
老人と海ヘミングウェイ2021年2月28日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
動物農場ジョージ・オーウェル2021年2月28日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
華氏451度レイ・ブラッドベリ2021年3月2日⭐️⭐️Literature
グレート・ギャッツビーフィッツジェラルド2021年3月5日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
時計じかけのオレンジアントニー・バージェス2021年3月6日⭐️⭐️⭐️Literature
予告された殺人の記録ガルシア・マルケス2021年3月6日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
眠れないほどおもしろい源氏物語板野博行2021年3月6日⭐️⭐️Literature
星の王子さまサン=テグジュペリ2021年3月6日⭐️⭐️⭐️Literature
ジキルとハイドスティーブンソン2021年3月6日⭐️⭐️Literature
オリヴァー・ツイストチャールズ・ディケンズ2021年3月12日⭐️⭐️⭐️Literature
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?フィリップ・K・ディック2021年3月13日⭐️⭐️⭐️Literature
ティファニーで朝食をトルーマン・カポーティ2021年3月13日⭐️⭐️Literature
変身カフカ2021年3月13日⭐️Literature
源氏物語の楽しみかた林望2021年3月17日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
1984年ジョージ・オーウェル2021年3月18日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
眠れないほどおもしろい徒然草板野博行2021年3月20日⭐️⭐️⭐️Literature
これで古典がよくわかる橋本治2021年3月21日⭐️⭐️Literature
眠れないほどおもしろい百人一首板野博行2021年3月27日⭐️⭐️⭐️Literature
東大現代文で思考力を鍛える出口汪2021年3月27日⭐️⭐️⭐️Literature
われはロボットアイザック・アシモフ2021年3月28日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
テス(上)ハーディ2021年4月9日⭐️⭐️⭐️Literature
西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラムダグラス・マレー2021年4月10日⭐️⭐️⭐️Philosophy
BANK4.0 未来の銀行ブレット キング2021年4月11日⭐️⭐️Finance
テス(下)ハーディ2021年4月13日⭐️⭐️⭐️Literature
よみたい万葉集まつしたゆうり, 松岡文, 森花絵2021年4月18日⭐️⭐️⭐️Literature
心理学超全史(上)ウェイド・E・ピックレン2021年4月18日⭐️⭐️⭐️Psychology
心理学超全史(下)ウェイド・E・ピックレン2021年4月18日⭐️⭐️⭐️Psychology
アルゴリズム図鑑宮崎 修一, 石田 保輝2021年4月19日⭐️⭐️⭐️⭐️Technical
百年の孤独ガルシア・マルケス2021年4月24日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
百人一首解剖図鑑谷知子2021年4月25日⭐️⭐️⭐️Literature
嵐が丘エミリー・ブロンテ2021年4月25日⭐️⭐️⭐️Literature
地銀 構造不況からの脱出 ―「脱銀行」への道筋高田創2021年4月25日⭐️⭐️Finance
サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福yuval noah harari2021年4月29日⭐️⭐️⭐️⭐️History
サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福yuval noah harari2021年4月29日⭐️⭐️⭐️⭐️History
ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来yuval noah harari2021年5月4日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来yuval noah harari2021年5月5日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
物質の究極像をめざして 素粒子論とその歴史和田純夫2021年5月22日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
40人の神経科学者に脳の一番面白いところを聞いてみたデイヴィッド・J・リンデン2021年5月23日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
運命と選択の科学ハナ―・クリッチロウ2021年5月23日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
人新世の「資本論」斎藤幸平2021年5月30日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Economics
奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語三崎 律日2021年6月5日⭐️⭐️History
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50山口 周2021年6月6日⭐️⭐️⭐️Philosophy
スペキュラティヴ・デザインの授業長谷川愛2021年6月6日⭐️⭐️⭐️Art
ぼくと数学の旅に出よう 真理を追い求めた1万年の物語ミカエル・ロネー2021年6月12日⭐️⭐️Mathmatics
ウイルスは悪者か高田礼人2021年6月12日⭐️⭐️Science
ビッグの終焉: ラディカル・コネクティビティがもたらす未来社会ニコ メレ2021年6月13日⭐️⭐️⭐️Economics
わたしたちのウェルビーイングをつくりあうためにドミニク・チェン, 渡邊淳司2021年6月13日⭐️⭐️⭐️Psychology
〈効果的な利他主義〉宣言! ――慈善活動への科学的アプローチウィリアム・マッカスキル2021年6月19日⭐️⭐️⭐️Philosophy
人間と社会を変えた9つの確率・統計学物語松原 望2021年6月19日⭐️⭐️Mathmatics
デジタルエコノミーはいかにして道を誤るかライアン エイヴェント2021年6月19日⭐️⭐️⭐️IT
社会学用語辞典田中正人, 香月孝史2021年6月19日⭐️⭐️ Sociology
服従の心理スタンリー・ミルグラム2021年6月19日⭐️⭐️⭐️Psychology
三体問題浅田秀樹2021年6月26日⭐️⭐️⭐️Mathmatics
フシギなくらい見えてくる!本当にわかる社会学現代位相研究所編2021年6月27日⭐️⭐️Sociology
社会学史大澤真幸2021年6月27日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Sociology
すばらしき新世界オルダス・ハクスリー2021年6月27日⭐️⭐️Literature
超加速経済アフリカ椿進2021年6月27日⭐️⭐️Development
精密への果てなき道:シリンダーからナノメートルEUVチップへサイモン ウィンチェスター2021年7月3日⭐️⭐️⭐️Science
国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源ジェイムズ A ロビンソン, ダロン アセモグル2021年7月4日⭐️⭐️⭐️Development
国家はなぜ衰退するのか(下):権力・繁栄・貧困の起源ジェイムズ A ロビンソン, ダロン アセモグル2021年7月4日⭐️⭐️⭐️Development
21世紀の文化人類学前川啓治他2021年7月11日⭐️⭐️⭐️⭐️Anthropology
悲しき熱帯Ⅰレヴィ・ストロース2021年7月24日⭐️⭐️⭐️Anthropology
366日物語のある絵画海野弘2021年7月28日⭐️⭐️⭐️Art
Humankind 希望の歴史(上)ルドガー・ブレグマン2021年7月30日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎村山斉2021年7月31日⭐️⭐️⭐️Science
Humankind 希望の歴史(下)ルドガー・ブレグマン2021年7月31日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
言ってはいけない宇宙論小谷太郎2021年8月1日⭐️⭐️Science
はじめての解析学原岡喜重2021年8月7日⭐️⭐️⭐️Mathmatics
世界を読み解くためのギリシア・ローマ神話入門庄子大亮2021年8月8日⭐️⭐️⭐️Religion & Myth
世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」木村 泰司2021年8月9日⭐️⭐️⭐️Art
名画の読み方――世界のビジネスエリートが身につける教養木村 泰司2021年8月9日⭐️⭐️⭐️Art
鑑賞のための 西洋美術史入門 リトル キュレーター シリーズ早坂 優子, 視覚デザイン研究所2021年8月9日⭐️⭐️⭐️Art
鑑賞のための キリスト教美術事典 リトル キュレーター シリーズ早坂 優子2021年8月9日⭐️⭐️Art
366日の西洋美術瀧澤秀保2021年8月9日⭐️⭐️⭐️Art
世界一よくわかる! ギリシャ神話キャラクター事典オード・ゴエミンヌ2021年8月9日⭐️⭐️⭐️⭐️Religion & Myth
100の傑作で読む 新約聖書ものがたりマルグリット・フォンタ2021年8月9日⭐️⭐️Religion & Myth
ヨーロッパの図像 神話・伝説とおとぎ話海野弘2021年8月9日⭐️⭐️⭐️⭐️Religion & Myth
世界でいちばん素敵な聖書の教室町田俊之2021年8月9日⭐️⭐️⭐️⭐️Religion & Myth
ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法ポール・ホーケン2021年8月9日⭐️⭐️⭐️⭐️Global Issues
希望と自由の哲学 サルトル 実存主義とは何か海老坂武2021年8月14日⭐️⭐️⭐️Philosophy
THE LONELY CENTURYノリーナ・ハーツ2021年8月15日⭐️⭐️⭐️⭐️Sociology
地図とデータで見る 水の世界ハンドブックダヴィド・フランション2021年8月15日⭐️⭐️Global Issues
ソラリススタニスワフ・レム2021年8月17日⭐️⭐️Literature
条件なき平等レジャーヌ・セナック2021年8月17日⭐️⭐️Sociology
テンペストウィリアム・シェイクスピア2021年8月18日⭐️⭐️⭐️Literature
シェイクスピア四大悲劇ウィリアム・シェイクスピア2021年8月18日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
消費社会の神話と構造ジャン・ボードリヤール2021年8月21日⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️Sociology
ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語品田遊2021年8月22日⭐️⭐️⭐️⭐️Philosophy
事実はなぜ人の意見を変えられないのかターリ・シャーロット2021年8月28日⭐️⭐️⭐️Psychology
新・消費社会論寺島拓幸, 水原俊博, 藤岡真之, 間々田孝夫2021年8月28日⭐️⭐️⭐️⭐️Sociology
新・現代思想講義 ナショナリズムは悪なのか萱野稔人2021年9月11日⭐️⭐️Philosophy
地銀波乱日本経済新聞社2021年9月11日⭐️⭐️Finance
ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学本川達雄2021年9月18日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
時間は逆戻りするのか高水裕一2021年9月18日⭐️⭐️Science
物理学者のすごい思考法橋本幸士2021年9月18日⭐️⭐️⭐️Science
探究する精神大栗博司2021年9月18日⭐️⭐️⭐️Science
ジェンダーと脳ダフナ・ジョエル, ルバ・ヴィハンスキ2021年9月19日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
フラットランドエドウィン・アボット・アボット2021年9月19日⭐️⭐️⭐️Literature
植物はすごい 七不思議編田中修2021年9月20日⭐️⭐️⭐️Science
ハプスブルク家12の物語中野京子2021年9月20日⭐️⭐️⭐️History
ノーベル文学賞を読む橋本陽介2021年9月23日⭐️⭐️⭐️Literature
保守主義とは何か宇野重規2021年9月26日⭐️⭐️⭐️Politics & Law
絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている左巻健男2021年9月26日⭐️⭐️⭐️Science
デジタル化する新興国伊藤亜聖2021年10月2日⭐️⭐️Economics
生物と無生物のあいだ福岡伸一2021年10月3日⭐️⭐️⭐️⭐️Science
ふしぎなキリスト教大澤真幸, 橋爪大三郎2021年10月3日⭐️⭐️⭐️Religion & Myth
おどろきの中国大澤真幸, 宮台真司, 橋爪大三郎2021年10月4日⭐️⭐️⭐️⭐️Global Issues
実在とは何かアダム・ベッカー2021年10月9日⭐️⭐️⭐️Science
サピエンスの未来立花隆2021年10月20日⭐️⭐️Philosophy
ポスト・ヒューマニズム岡本裕一朗2021年11月3日⭐️⭐️Philosophy
キャッチャー・イン・ザ・ライJ・D・サリンジャー2021年11月12日⭐️⭐️⭐️Literature
教養としてのアメリカ短篇小説都甲幸治2021年11月14日⭐️⭐️⭐️⭐️Literature
開発社会学を学ぶための60冊佐藤 寛, 佐野麻由子, 浜本篤史, 滝村卓司2021年11月14日⭐️⭐️⭐️Development
二重に差別される女たちミッキ・ケンダル2021年11月23日⭐️⭐️⭐️⭐️Sociology
洋書天国へようこそ宮脇孝雄2021年11月23日⭐️⭐️⭐️Literature
常設展示室原田マハ2021年11月23日⭐️⭐️⭐️Literature
断片的なものの社会学岸政彦2021年12月4日⭐️⭐️⭐️Sociology
白い城オルハン・パムク2021年12月4日⭐️⭐️⭐️Literature
ダブリナーズジョイス2021年12月11日⭐️⭐️Literature
かもめのジョナサンリチャード・バック2021年12月25日⭐️⭐️Literature
かもめ・ワーニャ伯父さんチェーホフ2021年12月25日⭐️⭐️⭐️Literature